[ホーム]

山病 9話

■第9回 山のエチケット・人間性
山歩きを始めて1年が経ちました。ツアーにも参加したことも無く、全くの一人歩きばかりです。
山に嵌まった理由の一つは、山に咲く野の花です。花の名前など、全く知りませんでした。
我が家に咲いている、シャガ、カタバミ、等なども知りませんでした。
自然の中に咲いている野の花を、初めて見たときの感動が、まだ残っています。
それほど感動し、素晴らしいと思いました。

あっと言う間の1年でした。この1年で、山歩きが随分上手くなったと思います。
全くの我流です。しかし、山道で転ばなくなりました。
恥ずかしい話ですが、山歩きを始めた頃は、転んでばかりでした。
山道で転んだら、30歳代は3割が怪我をする。50代は5割。
70代は7割が怪我をすると、言われています。
私は、転んだ割には、たいした怪我もしていません。山運がいいのでしょう。

そして、しんどかった急斜面の登山道が、あまり苦にならなくなりました。
あんなに休憩して、水をがぶ飲みしていたのが、嘘のようです。
一人歩きですから山のルールとかは、全く分かりません。

エチケット(マナー)は、一人歩きでも身に付きます。他人が嫌がることをしなければいいのです。
私は、殆んど登山者と会いませんが、登山道では登り優先ですね。登ってくる人が疲れていますから。
また、山での挨拶はエチケットですね。挨拶もしない人と会うと、いやな気持ちになります。
団体さんとの遭遇時は、頭だけ下げるようにしています。数十人に、声をかけ続けると疲れます。
山には、あまりゴミがありませんね。ゴミの持ち帰りが徹底しています。

たまに、テッシュペーパーを見かけますが、これは、テッシュが雨に溶けない事を知らないのですね。
水にとけるトイレ用を使うべきですね。テッシュペーパーは、溶けません。

有名な山は、登山道もしっかりしていますね。
よほどの天候の急変が、ないかぎり遭難はしないと思っています。
怖いのは、怪我などのアクシデントだと思っています。

『山歩きを安易に勧めてはいけない』と言われているようですが、私は、そうは思いません。
自分の体力にあった山歩きは、多いにするべきだと思っています。
ツアー、グループ登山もいいと思いますが、
たまには一人でのんびり山歩きを楽しまれるのもいいかもです。

山は自然が相手ですから舐めてはいけません。油断は禁物です。
しかし、世間で言われるように山はそんなに危険ではない。
と、この1年、山の尾根登山道を歩いて思いました。

尾根登山道ルートにおいてだけです。他のルートの岩、沢、バリハイルートなどは知りません。
登山道が消えたら引き返す。これさえ出来たら、道迷い遭難は、無いと思っています。
山は、特別な人?のものだけではない。みんな(老若男女)が、楽しめると思いました。

マスコミが創り出す山歩きブームにのる訳ではありませんが、山はいいです。
みんなが、山病にかかると、”いじめ”いじめ自殺”人殺し”差別”も、無くなるかもです。
自然を愛して、人間を愛しましょう!山を歩いてそう思っています。

ある中学校の体育館に大きな垂れ幕が下がっています。この中学校の標語でしょうね。
『私達○○中学校の生徒は、人の命を大切にします』と、今は、こんな世の中です。日本は。



マツムシソウ(九重山群にて・8月)

【第1回に戻る】 【第10回に進む】 【HPトップに戻る】