[ホーム]

山病 17話

第17回 雪山の魅力(2006年12月2日)
山歩きを始めてから、2年目の冬がやってきます。
昨年の今頃は、コタツの中で、アチコチの山webサイトを見て過ごしていました。
雪山(冬山)を歩くつもりなど、全くありませんでした。
登山口までの道路凍結も怖いです。山登りのシーズンはもう終った、と思っていました。
野の花も咲いていません。元々、野の花を見たい為に始めた山歩きです。
野の花が咲いていない雪山には、魅力を感じていませんでした。
そんな僕が雪山に登りました。

雪山にも野の花が咲いていました。樹氷、海老の尻尾などの雪の花です。
山サイトで見る樹氷の画像は、雪の花でした。是非、自分の目で、見てみたいと思いました。
タイヤチェーンを手に入れ、九重・牧の戸登山口に車を走らせました。
沓掛山まで30分ほどの樹氷見学の予定です。
沓掛山の樹氷を見れば満足です。雪の花を見る為に、初めて雪山を歩きます。

牧の戸登山口から歩き始めると、予想をはるかに超える自然の風景がありました。
寒くもありません。温度計は、氷点下を指していますが寒くないのです。
見渡す限り白一色です。言葉では表現出来ない風景が広がっています。
天国の風景のようです。見たことも無い風景です。
この登山道は、何度となく歩いた事のある登山道です。
しかし、目の前に広がっている風景は、初めて見る風景でした。

足は独りでに、ドンドン前の方へ、高い方へと進んでいきます。
気が付いた時は、九重・星生山の山頂まで来ていました。
眼下に見下ろす九重の山々は、一面の銀世界です。
自然のど真ん中の銀世界です。白一色の登山道は、まるで天国です。
ポカポカ陽気で汗ばんできます。

ポカポカ陽気の登山道から、風のあたる稜線に出ると、身を切るような風の冷たさです。
山頂に立つと、風は強く、冷たくて、身体もかじかんでしまいます。
あまりの風の冷たさ、寒さに、雪山での遭難、凍死、もろもろの事が頭を過ぎります。
雪山のしかも、吹雪の中での遭難が、頭を過ぎります。
初めて味合う、風の強さと冷たさです。

身体が凍り付きそうな風の中で、体力が無くなれば即、遭難だと思いました。
足を骨折でもすれば、助けが無ければ、間違いなく凍死です。
雪山(冬山)の風景の素晴らしさは、歩いた人だけが味わえる感動です。
そこには、素晴らしい感動があります。それ以上に、危険もあります。
危険も伴いますが、登りたいと思っています。
まだ痛い左足を見ながら、雪山の事ばかり考えています。gangee 拝

【山病第1回に戻る】 【山病第18回に進む】 【ホームページトップに戻る】