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続山病 第3話

私のホームページで盛んに山歩きを勧めています。
ホームページの管理人として、将希君のご冥福を祈りながら書き留めます。

霧島・韓国岳小学五年生の遭難事故に思う。

楽しいはずのファミリー登山が悲しい結果になってしまいました。
ご家族の心痛は計り知れませんし、言葉もありません。
亡くなった将希君のご冥福を心からお祈り致します。

山登りは自然が相手です。何があるか分かりません。充分な備えが必要です。
今回の将希君の事故も、笛、シェルトを持参していればと思いました。

将希君は2合目から、一人で先に登ったそうです。
山頂まで登山道は、はっきりしています。道迷い遭難など誰も考えません。
ところが、問題は山頂からの下山です。

私の知人も下山道を間違えて、大浪池の方に下りたそうです。
韓国岳の山頂から眼下に大浪池が見えます。この大浪池を登山口と間違えるようです。
えびの高原から登り始めると、不動池が眼下に見えています。
韓国岳の山頂奥から、不動池(登山口)は見えず、代わりに大浪池が眼下に見えます。

この大浪池を不動池(登山口)と勘違いして下山するようです。
大浪池の避難小屋近くで、道間違いに気がつきます。
ここから山頂まで引き返す気力は残っていません。

低い方へ低い方へと人間の心理が働きます。山を下りれば、道があると思うのです。
気がついたときは沢に向かって下りています。沢を下ると、多くの山が崖になっています。
将希君もこの崖に下りたようです。結果は残念なことになりました。

道間違いに気がついたら、即、引き返す。これしかありません。
登り返すのは辛くてしんどい行動です。しかし、即、引き返すのです。
道間違いに気がついたら即、引き返す。

頭では分かっていても、なかなか行動には移せません。
もう少し下りれば、道に出ると思うのです。
夕暮れが近づいてくると、登り返すより、さらに低い方へ下りていきたくなります。
沢に向かっているのです。沢を下りれば道に出ると思ってしまいます。

将希君の遭難事故死の記事を読み、山登りを始めた頃の自分と重なりました。
私も単独登山ばかりで、道間違いの山歩きばかりでした。
道間違いに気がついた将希君の行動と心理が何となく理解できます。

1100名近くの捜索隊が必死になって捜索を行いました。
しかし、結果は残念なことになりました。
山登りは自然が相手です。山登りは自己責任です。
山歩きのHPの管理人として、将希君のご冥福を祈りながら書き留めました。合掌。
【2009年11月3日 記】

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