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山病 6話

第6回 自然の魅力
阿蘇山(高岳)に、仙酔尾根(通称バカ尾根)から初めて登った。
親子三人の登山者も登られていた。
鷲ヶ峰が良く見える所で、休憩されていた。私が、先行者に追いついたのだ。

私も小休止し、少しお話をした。
その時、小学生の女の子が、鷲ヶ峰を見ながら、登ってみたいと言った。
私は、驚いた。鷲ヶ峰は、見るからに険しい岩山だ。
しかも、今 歩いている尾根も、溶岩が固まった歩きにくい登山道だ。
溶岩ばかりで、踏み跡などない。道標は、溶岩に書かれた黄色いペンキだけだ。

そんな険しい登山道を歩いている女の子が、鷲ヶ峰を歩きたいと言った。
驚いたが 魅力があるんだなぁ!鷲ヶ峰は・・・とも思った。

鷲見平には、幾つもの供養塔が建てられている。
鷲ヶ峰で命を落とされた登山者への供養だ。
命を落とされた登山者の事を、色々考えながら高岳東峰まで歩いた。

鷲ヶ峰への下山口が、そこにあった。
高岳東峰から 鷲ヶ峰ルートに、降りれそうな予感がする。
幾人もの命を奪ったルートには、見えない。

2度目に高岳に登ったときも、そのルートを確認した。
やはり、険しいルートのように見えるが、ロッククライミングが出来るなら降りれそうだ。
そんな予感がする。甘いんだなぁ!出来もしない岩登りを考えている。
これも、山病のなせる業だろうか?

同じ山に何度登っても 山には、違った魅力が必ずある。
近場の金峰山に、1000回以上も 登られている人が、何人もおられる。
ただ単に、健康維持祈願 だけが目的ではないと思っている。

登るたびに違った魅力を、発見されているのだろう?
それほど、山には魅力があると思う。山病にかかる訳だ。
(続く)



鷲ヶ峰(仙酔尾根から)

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