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山病 7話

第7回 自然破壊
山を歩き始めて、そろそろ1年になります。
山頂近くまで延びる林道の多さに驚いています。
ドライブしていた頃も、どこまでも続く 山間地の道路には、驚いたものです。
何処まで行っても、綺麗なアスファルト道路が、山の中に作ってありました。
こんな山奥の道路を、誰が利用するのだろう?
ゴルフ場の為の道路だな。ゴルフ場が、行政を動かしているな。と思っていました。

山歩きを始めてから、アスファルトの道路が、山頂近くまで延びている事に気が着きました。
この道路には感謝しています。しかし、林道の多さには驚いています。
自然林の登山道を林道が、縦横無尽に横切っています。

山頂まで、造林・植林されているのにも驚きました。
手入れのされていない、人工林(杉・檜)が目立ちます。
山の斜面の崩壊も目につきます。かなりの広さで斜面が、崩壊しています。

植林、下草刈り、などをされた苦労が分かります。何しろ山の頂上ですから。
苦労して植林された人工林が、今は、手入れもされずに放置されている様に見えます。
国もそのまま、ホッタラカシているようです。山林所有者は、もう、無駄なお金は使いません。

国の政策で、ドンドン造林をし植林し、自然を破壊した結果が、今の山の姿だと思っています。
勿論、集中豪雨、台風などの自然災害もあるかも知れません。
しかしそれより、人間の手による自然破壊の方が、数百倍もあるように見えました。
人間の手によって自然が破壊され、その上に自然災害が発生しているように見えます。

山病は、山と共に存在する自然の万象に感動し、その感動から元気をもらう病気だと思っています。
山病を患っておられる方は、身をもって自然の大切さを、感じておられる方だと思っています。
私は、山歩きをされないみなさんも、山病にかかって欲しいと思っています。
山病にかかると、自然の大切さが、実感できると思っています。

民家も無いような山間地の道路には、もうこれ以上 税金を使って欲しくないと思っています。
道路建設による山の破壊は、そろそろ終ってもいいんじゃないかと思っています。
毎年台風、集中豪雨で尊い人命が奪われています。
山岳地の被害は相当なものです。
何百年も生きてきた樹木が根こそぎ倒されています。

山病になってから、自然を見る眼が少し変わってきました。
自然の素晴らしさに感動し、山野草に感動し、自然の森羅万象を意識するようになりました。
続きます。



登山道を塞ぐ倒木です。樹齢数百年の大木が倒れています。
倒木の下を潜り山頂を目指す登山者です。

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