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山病 16話

■第16回 山での怪我(2006年11月21日 記)
11月16日・根子岳の西峰・本峰に挑戦しました。鍋の平キャンプ場からの登山道です。
初めてのコースです。あまり知られていない登山道のようです。
私が持っているガイドブックには、勿論載っていません。
webサイトの情報で、この登山道を知りました。

第1のピークまで、あと少しの所で怪我をしました。左足のフクラハギの肉離れです。
登山口からかなり急傾斜な登山道でした。自然林、ススキのヤブコギです。
登山道は解りにくいですが、危険な登山道とは思えませんでした。
初めての登山道を一人で歩く時は、心がワクワクするのです。
特に、ピークを踏んだ時の、感動、達成感は、言葉では表現出来ません。
山を歩いた人だけが、味合うことの出来る感動だと思っています。

そんな心ワクワク、ウキウキの状態の中での怪我です。
山登りを始めて1年半ほどです。体力に自信が持てる様になった時期です。
今から、雪山を楽しめると思っていました。
足の怪我は残念ですが、仕方ありません。

怪我の原因は判りませんが、フクラハギの筋肉が切れているのです。
病院の診断の結果は、全治1ヶ月です。
まだ、左足がつけません。松葉杖で家の中も歩いています。
怪我をした時のようすです。

一つ目のピークが見えていました。岩場(5〜6m)を両手両足で登りあげた時でした。
『バシッツ』と大きな音がして、左足のフクラハギをムチで打たれた様な痛みが、走りました。
木の枝が足を弾いたと思いました。靴、靴下を脱ぎ、裸足になりました。
フクラハギを見て、触ってみますがなんともありません。アキレス腱(足の踵)も大丈夫です。
次に考えたのは、ヘビが噛み付いたのかな?でした。
スパッツ、ズボン、もなんともありません。
ピークは目の前です。また靴を履き、立ち上がりました。
激痛です。歩けません。この時は下山の事は考えていませんでした。
目の前のピークまでどうやって登るか、そのことだけを考えていました。
実際、少しの距離をハイハイで登りました。アホですね。病気ですね。
ハイハイで登っているときに、下山のことに気がつきました。

今から下山しなくては、ならないのです。ハイハイで下山です。
登るのを直ぐ止め、気持ちを落ち着かせました。
携帯電話の電波は通じます。アンテナが立っています。自分がいる場所も分かります。
電話で場所の説明もできます。山の斜面にいますがピーク近くです。樹木もありません。
ヘリコプターも近づけると思いました。高森警察署の電話番号も携帯に入れています。
心の葛藤です。時間は12時過ぎぐらいです。

色々考えて、ハイハイで下山しました。少し足を地面につけると、激痛が走ります。
氷水をタオルにつけてフクラハギを冷やしました。これは正解でした。
暖めてはいけません。冷やすことです。あとで知りました。
自宅に帰り着き、シャワーで暖めたのは、間違いでした。
暖めるのは、ズート時間が経ってからです。ドクターから聞きました。
3時間ほどかかって、登山口まで下りてきました。
ススキの登山道だったから、降りてこられたと思っています。
下山時の道間違いは、取り返しがつきません。慎重に踏み跡をたどりました。
道間違いをして、登り返すのは地獄の沙汰です。
今回は、運良く下山できました。山では何が起こるか分かりません。
いい経験をしました。歩けるようになったら、また山に登ります。
ストレッチの大切さ、足の筋肉を柔軟に保つことの大事さを身を持って体験しました。

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