定年おやじの大英帝国ひとり旅 11

5月21日(木)  8日目  スライゴー
朝、食堂で日本の女の娘に会いました。
日本からアゼルバイジャンに入り、グルジア、トルコ、バルカン半島と来てイギリスを経てアイルランド。
もう、3ヶ月だそうです。このあと、アメリカに渡ってイギリスに戻ってスコットランドに。

普通のおとなしそうな二十代。親は心配しないのか聞いたら、
父親は死んで、母親は地理が解らないので心配しないそうです。
よく金が有るね。それにしても、たいしたものです。

海外で、女性の一人旅にはよく会いました。
仕事があるからでしょうか、男は少ない。この娘は少し今まで会ったのとは、タイプが違う。
今まで見た娘は、日に焼けて、男勝りで、登山家?探検家?みたいで、
この子なら襲われることも無いだろう、といったタイプ。
今日は、北アイルランドに行くつもりとの事。

足が本調子ではないので、タクシーでコノリー駅に。
どうしても、歩かなければならない時もあるので、無理せずに済む時は無理すまい。

イギリスもそうですが、ヨーロッパの大都市の駅は皆終着駅です。
都市と都市を結んでいて、行き先別に個別に駅があります。

ダブリンの場合ですと、北西方面行は東にあるコノリー駅。南西方面行は西にあるヒューストン駅。
ですから、停まっている列車が手前に出てゆかないと、次の列車が入れないので、
ホームが沢山要るし、駅に近づくと何度も止まって、時間調整します。

それも、日本ほど時間が正確でない原因です。
なまじっか、都市の力が強かった時に鉄道が出来たので、今更どうしようもないのでしょう。

その点日本は明治になって、中央集権の元に出来たので大阪も名古屋も、どの大都市も通過駅です。
なので、日本は全部「駅」ですが、英語では通過駅は「halt」です。
解りやすく言えば、バスステーションとバスストップの違いです。

乗り継ぐ場合は二つの駅の間を別の交通手段で移動しなければなりません。
まるで、成田と羽田です。そうか、日本はその経験が無かったので、今になって、空でミスったのか。

コノリー駅は乗る人ではなく降りてくる人でラッシュです。
9:05発 しばらくは複線ですがやがて単線になります。列車は運河に沿って走ります。
これも発見です。ヨーロッパでは運河に沿って鉄道がよくあります。

運河は早くからあったのです。運河は大体水平でかつ最短距離を結んでいます。
コノリー駅 田舎の運河

急カーブもありません。山も谷も避けています。昔は、堤防の上を馬がハシケを引いていたでしょう。
運河沿いに鉄道を敷設するのが一番合理的です。
地図を見て地形的に景色のよさそうなところを探します。

もし、天気がよくなれば、途中下車してみます。別にスライゴーに行きたいわけでは有りません。
今日、夜までにダブリンに帰り着けばよいのです。
牧場の中にゴルフ場がありました。芝や草を刈らなくていいかも。
玉が当たれば羊も痛いだろうね。羊に当たればペナルティーがあるの?
運河で魚釣り 地図と時刻表で研究

運河で釣りをしている人がいます。明日の行き先の研究をしながら、のどかな風景を眺めながら3時間。
列車はスライゴーに12:10着 やはり雨 駅でこの町のパンフを見つけて、イエーツ記念館に。

はっきり言ってたいしたことない。次、県立博物館へ、行ってみると、ちょうど昼休み。
おばさんが出て来て、「2 時まで休み」 雨は降るし、仕方が無いので途中
あったスーパーへ、途中の川はここのところの雨で濁流です。
水はギネス色。ギネスビールの色は使う水の色なのか?
イエーツ像 ギネスビールの色をしたガラボーク川

スーパーの中のファーストフードで昼食。売り物の草花を見て周ります。
公衆電話で明日のゴールウェイの宿の予約をします。携帯からするのは、どう考えても高くつく。
こちらの公衆電話は入れた金は戻りません。相手が出たらすぐコインを入れます。

コインを入れなければ、こちらの声が相手に聞こえません。ピーと鳴ったら次のコインを入れます。
まず、B&Bに電話しますが、どこも、土曜が満室です。ホステルに電話します。
22日金曜が曜が24ユーロ、23日土曜はもうツインしかなくて、72ユーロ。ホステル
にもたまに、ツインとか、ファミリールームが在るのです。別のところを探しても、ある保証はないので、予約します。
左が県立博物館 スライゴーの街角

二時前になったのでまた博物館へ。これも、全然内容が伴いません。
だいぶがっかり。 駅に戻ります。
帰りの列車はかなりの人です。空席を見つけて座りますが、何か変です。
予約席です。窓側の小さな表示版に予約者名が液晶表示されています。
イギリスの、予約席は椅子の背もたれの上に白いカードが挿してあります。

アイルランドで予約者名が液晶表示されるなどとは予想していませんでした。
日本のように指定席車両は無くて、混在です。もっとも、指定席料はいりません。
予約されていない席を探します。去年と今年、イギリス、アイルランドの鉄道に度々乗りましたが、
席を予約したことはありません。
それでも、座れなかったことは一度もありませんでした。
車窓 また雨 帽子とカッパを拡げて乾かす
虹が ギネスビールとジャガイモ弁当

やっと、晴れてきました。見ると、虹が出ています。
コノリー駅に着いて、宿に帰っていると、あの日本の娘、北アイルランド
(U.K)までは行かずに、国境のすぐ手前の町まで行ったそうです。

彼女は途中、ここはネットが安いからと言って、よそのホステルに入ってゆきました。
中々したたかでんな。近所のコンビニで弁当を買いました。
夕方で半額。肉の下に何があるのかと思えば、全部マッシュポテト。食べきれませんでした。

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