定年おやじの大英帝国ひとり旅 20

5月30日(土)  17日目   ダブリン
朝食は二軒隣のピザ屋さんです。ユースホステルが朝食だけ頼んでいるのでしょう。
ピザ屋ですが、トーストとコーヒーだけでした。 いい天気。
バスで国立植物園に向かいます。乗ると、昨日買ったワンデイパスをチェッカーに通します。
土曜の朝なのでバスも街も空いています。ダブリンも市内バスは二階建てです。
この二階建てをロンドンではロンドンバスといい赤色、ダブリンではダブリンバスといい黄色です。
二階最前列 一階車内 右が階段

当然二階の最前列に座ります。
植物園が終点ではありませんし、次のバス停のアナウンスもありませんので、近づいたと思ったら一階に下ります。
ですが、持ってる地図は中心部だけで、郊外までは載っていません。普通、植物園の近くには園芸店があります。

遠くに森らしきものは無いか注意します。勘で、一階に下りたら、やはり、あと少しでした。
開門は9:00、 早く着き過ぎました。

近所をグルッとします。宗教団体の事務所があって、軒下に、汚れた布団があります。
誰か寝ているのでしょうか。この小川は植物園の中から流れ出ている感じ。
どう観ても誰か寝た 小川

植物園の門を開ける人が、「あんたが一番」
ロンドンのキューガーデンよりはずっと小さいですが、植物がエリア分けしてあって、植物園らしい。
割と丁寧に名が書いてあります。
りんごもアップルではなく、皆マルス0000と書いてあるところが、植物オタクの私としては好感の持てるところです。
入り口 入ってすぐ

アイルランドで見た草花の名前を探しますが、中々判りません。
デジカメで撮った写真を事務所の人に見てもらいます。
若い人は知らなくて、奥に行っては、オバサンを連れて来ます。
何回も園と事務所を往復して10種類位解りました。
園内 リスが
キューガーデンに似た温室 園内

藤が満開でした。バラは未だでした。バスで市内に戻り、ルアス(路面電車)に乗り換え国立装飾博物館へ。
元の兵舎を改装してあり、建物も広いが中庭が広い。興味の無いところは抜いてどんどん周ります。
日本の駕籠や鎧もあります。長い間イギリスの属国だったのですが、それでも、沢山あります。
国立装飾博物館 館内

歩いて近くのジェイムソンウイスキー蒸留所へ、ここも、ギネスのように入場料が要ります。
ウイスキーは呑むもの、観るものではない。

近くを歩いていると、長屋の途中を壊して、鉄骨で支えの入れてあるところがありました。
こちらでは、あまり見ませんでしたが、日本の木造の町家ではよく見ます。

レンガ造でも、同じ様にするのですね。ハンバーガー屋で、遅い昼食。ステーキドッグ。
イギリスでもそうですが、ミンチでなければ、薄切り肉も皆ステーキです。
そこに有るものは皆入れてもらいます。ビールは無かった。
細切れ肉の入ったドッグ ルアス(路面電車)

今度は、ルアス(路面電車)で南西の郊外の終点まで行ってみることにしました。
この路面電車もしばらく運河沿いを進みます。
運河には白鳥が 巨大ショッピングセンター

途中、大きなホームセンターが見えます。
スーパーよりも、デパートよりも、これに一度寄ってみたかった。
その国の生活が一番解かる所です。帰りに寄ろう。
地図が無いので地名も、場所も分かりませんが、終点には巨大なショッピングセンターが在りました。

土曜なので賑わっています。帰り、来る時あったホームセンターの近くで降ります。
入り口が分かりません。日本なら何処からでも敷地に入れます。
ここは全周高いフェンスで囲まれています。広い道路沿いを東に行きますが入り口がありません。

敷地を過ぎてもないので引き返して北に曲がり沿ってさらに東に曲がり、
北の道を行くと北東の隅に幅6mの入り口がありました。

夜は物騒なのか、敷地の入り口もシャットするのでしょうね。
苗ものは日本と同じ様な種類ですが、6ポット、6.99ユーロ=¥950

日本は最後98円ですが、アイルランドもイギリスも、99です。 ケチ!
ドアもあります。枠無し金具なしで、むろん張物ですが、30〜60ユーロ=¥4000〜8000
クロスは日本は幅1mくらいですが、ここのは50cm位です。
素人が貼り易いということと、継ぎ目を気にしないのでしょう。
フローリングは流石、無垢です。土足ですから。
花苗 ガーデン用品

システムキッチンは2mx2mのL 型。吊戸共で2333ユーロ=¥310000
オーブンは2つ付いていますが、IHヒーターではありません。シ−ズヒーターです。
IHヒーターは単品でも無かった。内部はお粗末でした。
ペチュニアの苗 ドア

蛍光灯が在りません。店舗には結構使ってありますが、家庭用にはあまり無いのでしょうね。
蛍光灯の管が4 種類しか売ってありません。それも、申し訳程度に少し。
逆に電球は10倍以上のスペースに沢山の種類があります。

エコを考えないというより、多分電気代が安いのでしょう。家具は半額、無利子の3年払いで出ていました。
もともと安く売るくらいなら売らない地域なのに、どこも景気が悪く、そうも言っていられないのでしょう。
キッチン 31万円 看板

人の、その環境で築かれた価値観というものは、変えにくいものなのですね。
それぞれの国が、高福祉だ、バリアフリーだ、エコだ、こんなに進んでいると標榜しても、
今までの習慣や価値観の狭い範囲を出ることは無いんですね。

外国に来ると、そこの劣った点が気に成りますが、
まだ、そこでは普通のことで、そこの人は全然気にしていないのです。
それどころか、進んでいると思っているのです。

人の振り見て我が振り直せといいます。日本でも、同じ事がきっとあると思います。

しかし気がつかないのです。これから、益々、世はグローバル化します。
国内だけの価値観はいずれ意味を持たなくなるでしょう。
一世紀以上前にイギリスはその失敗をしたはずです。

なまじっか国力がある故に、最後まで自分の価値観を他国に押し付け、
ごまかし続けましたが、遂に見限られました。

今、アメリカがその轍を踏もうとしています。もしアメリカ人が賢明なら、早めに修正が出来るでしょう。
この次は日本です。頭を軟らかくして、物事を観れるように成りたいですね。
今日は天気がいいのはいいけど、本当に暑い。バックパックと背中の間は汗びっしょりです。

ユースホステルに帰って一休み。ユースホステルの人も言っていました。
今年の最高気温で、27℃が出たそうです。真夏並みだそうです。
「日本の今より暑い」と言ったら、「うそー」多くの欧州人は、
インドネシアーフィリピンー香港―日本を一括りにして東南アジア=暑い と思っているようです。

おなかが空いたので、昨日買った食べ物を冷蔵庫から出して食べました。
夕方で、少し涼しくなったので、川向こうの別のルアス(路面電車)に乗りに行きます。
昼乗ったのとは、路線の違うルアス(路面電車)で、出る場所も違います。
おやつ? ルアス(路面電車)の運転席

南に向けて走ります。ちょうど、夕方のラッシュです。終点には何もありませんでした。
新興テクノ産業団地といった感じですが、土曜で寂しい限りです。
ちょっと周って、帰りのルアス(路面電車)に乗ります。
こんどは、乗る人は、街に今から遊びに行く人、これからお勤めの人です。
ルアスの頭(路面電車の前部) 今からお勤め?

夕方の街をユースホステルに戻ります。
ダブリンティンプルバー(ダブリンの繁華街) リフィ川の夕暮れ

明日の港行きバスは、7:00 。早く寝よう。
部屋に帰ると、30歳くらいの女性が二人の若い男に英語を教えています。
ブラジルから来たそうで、若い男の一人は甥。
もう一人はたまたま同室のポルトガル人。ブラジルはポルトガル語ですから、すぐ馴染めます。
彼女は、7ヶ国語が話せるそうで、他に日本語も少しは話せます。

「I loveyou」は「私はあなたを愛してます」でいいのかと訊ねられたので、
「そんなかたぐるしい事は言わない、“抱いて”と言えばいい」と教えたけど、よかったのかなあ。

甥といったがどうもオカシイ。彼女はメスチゾ系。甥は黒人系。あるのかな。
百歩譲って甥にしよう。でも、何歳かしか違わない伯母と甥が二人で
親戚に行くのではなく、ホステルに泊まるような旅行する?
ホントによくしゃべる人だった。ずっとしゃべって、こちらは眠れない。

「早く寝ろ」と言いたいけど、言えない。
「明日朝7 時に港に行かなければならないので、どちらか早く起きたほうが起こしてくれ」と言ったが、
OKとは言ったものの、まだしゃべる。「起こしてよ」ともう一回。やっと黙った。

5月31日(日) 18日目 イギリスへ

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