定年おやじのアイスランド、アイルランド、ひとり旅 21

5月31日(日)  18日目   イギリスへ
5時過ぎ目が覚めました。腕時計のアラームは6:30にセットしていますが、小さい音なので不安だし、
二度寝すると寝過ごします。起きて、暗がりで、着替えて、準備して、チェックアウト。
街中のユースホステルなので、24時間リセプションは開いています。

朝食抜きで、バスターミナルへ向かいます。
しばらく待っていると、日本人の夫婦が来ました。私と同年代です。
彼らは、ダブリンからレンタカーで5日間アイルランドを周ったそうです。
港に着きましたが、ここには、税金還付窓口がありません。
セーターの還付証明は貰ったのに、ま、両替所も無いんだから仕方ない。

今度は、飛行機のように、トランクは預けます。やはり、来た時のようにバスで乗船します。
高速船ですが、2000トンはあるでしょう。車も積みます。
高速船なので「スイフト」と時刻表にも書いてありますが。船の名前がジョナサンスイフト。

スペルが同じかどうかは知りませんが、あの、ガリバー旅行記を書いたアイルランドの人名です。
うまく合ったものです。
突き当りが乗る船 大型車の船倉、右は乗用車で二層

日本人と一緒だと、すぐ時間がたちます。日本人とばかり話して、現地の人と話すことがありません。
旅行としては良し悪しです。
彼らは、ホーリーヘッドにレンタカーを停めて来たので、船が着いたら、また車でロンドンに帰るそうです。

昔、ロンドンで半導体メーカーの駐在員をしていて、あと、自分で商売をしていたが、帰国したそうです。
辞めて、タイのチェンマイにも夫婦で半年暮らしたそうです。
すでに、イギリスの永住許可を持っているそうで、ただ、たまに入国しないと、無くなるとの事。
今、ガーデニングを始めたそうで、要らぬお世話でしょうが、教えました。
船内 二階はエグゼクティブクラス

ホーリーヘッドに入港、今度は歩いて下船してからバスに乗り湾をぐるっと回ってから、入国です。
一緒だった夫婦に「車でバンガーまで送りましょう」と言われましたが。
バンガーの町も解らないだろうし、高速のパーク&ライドで降りても後が困るので、丁重にお断りしました。
港と駅は繋がっていました。時刻表は、13日前リバプールのライムストリート駅で入手済みです。

すぐのホームにローカル列車がいました。駅員にバンガーに行くか聞いたら、そうだという。
なのに、みんな、そのホームを通り過ぎて行きます。
どうも変、通り過ぎる人に聞くとバンガーは「あっち一番線」。
あっちと言っても遠いのです。このホームを真直ぐ行って駅舎を通り抜けて反対側です。

時刻表をもう一度見ます。やはり「あっち」トランクを引いて走ります。
飛び乗ると同時にドアが閉まりました。ロンドン・パディントン行きの特急でした。

バンガーにも停まります。最初のホームにいた列車は各駅停車でした。
混乱したのは、乗った特急はヴァージン社、各駅停車はアリバ社でした。
時刻表が別になっているのも有れば、一緒のもあります。
イギリスも、分割民営化したのですが、日本のような地域別ではありません。

同じ線路を何社も走る割り方です。各社競争する点はいいのですが、横の連絡は自ずと悪くなります。
切符は共通ですが、割引切符は別です。
よそ者には難しいです。日本でNTTの回線を沢山の電話会社が使ってサービスをしているのと似ています。

駅が都市間結合の終着駅スタイルなので更に難しいのです。

A列車はア駅に行くが、B列車はア駅に寄らずにC駅には寄る、
つまり、高速バスが、すべての町のバスセンターに寄ると時間が掛かるので、
ほとんどは直通で、別々に運行しているようなものです。

時刻表も細切れを繋いだ形です。見慣れるまで時間が掛かります。
どんなのと言っても、日本に例が無いので言い難い。乗った近くにはトランク置き場がありませんでした。

デッキに置いて、見えるところに座ります。
アイルランドのマーローからキラーニーの列車で、トランクを通路に置いていたら、
そばの白髪のバアサンが邪魔なのでどけろと言う。

持ってゆくところも無いので、少しずらしましたが、あっちに持って行けと、
手で追い払うような格好をするので、日本語で「うるさい」と大声で言ってやったら、おとなしくなった。
あの黒いのが私のトランク バンガー駅
普通、列車にはトランク置き場があります。車両によっては自転車置き場や車椅子、ベビーカー席もあります。
それを探して周るのも大変なので、デッキに置いたのです。特急なので30分、最初の停車がバンガーでした。
駅は西のはずれ、小さな市ですが、ウェールズ大学もあり、首都カーディフは南部で、北部では一番の町です。

ウェールズは国会もあり、スコットランド、北アイルランド、イングランドと同等な呼び方で、
この4国を合わせてユナイテッドキングダム、U.K.と呼びます。これが英連合(れんごう)王国です。

日本では普通UK をイギリスと呼ぶので、この旅行記もそう書いていますが、
現地ではイギリスはイングランドだけを指します。

なので、例えば、スコットランドでイギリス人?と言えば、No, Scot.と反論されます。
英連邦(れんぽう)王国は、カナダやオーストラリアなど16国が含まれます。
インド、アメリカ、アイルランドなども、元は大英帝国だったのですが違います。

解り易く言えば、喧嘩せずに独立した国が英連邦王国です。
グレートブリテンはアイルランドを除くウェールズ+スコットランド+イングランドの本島です。

脛に傷持つ国は解り難いです。
駅は、山の麓にあり、トランクを引いて、坂を東の海に向かって下ってゆきます。今日も暑い。
木陰で休みながら、「今度ここを離れる時はバスにしよう」この坂をトランクを引いて登るのは嫌。

ウェールズ大学の間を通ります。20分くらい歩いて、左に今晩のB&B がありました。
カウンターのベルを何度も押すとオバサンが出て来ました。
13時過ぎで、まだ部屋には入れないので、トランクを預けて、街に出てみました。

今日は日曜日、やはりヴィジターインフォメーションは休み。
ATMは開いていましたので、200ポンド=¥32000降ろします。
これで、金を降ろすのは8回目。イギリスは3回、アイルランドは5回降ろしました。
駅に向かう坂 宿

手数料が金額の%で付くのか、一回幾ら式か、その混合式なのか分かりません。
多分まとめて降ろしたほうが得なのでしょうが、あまり沢山降ろすのもカードの意味がありません。

海のほうに向かいます。桟橋がメナイ海峡に向かって出ています。
入り口にゲートがあり、また高い入場料が要るのかと思えば、25ペンス=¥40
釣りをする人は2ポンド=¥320安かった。


いい天気、深呼吸すると青い空まで吸えそうです。潮風がパタパタ襟を叩きます。
バックパックを下ろして、ベンチで休みます。
バンガーピアー桟橋 全然釣れてない

上着も脱ぎたいところですが、忘れたり、風で飛ばされたら大変なので我慢します。
旅行中、一番気を付けているのは、泥棒よりも忘れ物です。手に持つ物は、必ず一つまで。
バックパックやポケットから出したら、すぐ元の所に戻す。

元の所ということが大切です。急いで、つい別の場所に入れると、
後で探すのが大変だし、あわてて、別の物まで落としたりするものです。
手帳、携帯、カメラ、はスプリングの紐をつけてクリップで留めています。

財布には鈴をつけています。パスポートは首掛けの巾着です。
場所を移動する時は、財布、携帯、カメラ、パスポート、腹巻、鞄、その場所を叩いて確認します。

国内より、ずっとしっかりしています。忘れ物や、うっかりミスの多い人がいますが、
努力すれば直ると確信を持って言えます。

ここにも案内所がありました。日曜ですが開いていました。中にはオバアサンが一人暇そうに座っています。
ちょうどいい、スノードン山への行き方を聞こう。
海の暴走族? 案内所のおばあさん

バスの時刻表、登山鉄道の駅、乗り方、順序良く資料を揃えて、輪ゴムで留めてくれました。
だけどまあ巨乳です。重たいのでしょう、机の縁に載せています。
なんでも、大切なのは量より質ですね。
お礼に、日本から何本かお土産にと思い買って来た、書いて擦れば消えるボールペンをプレゼントしました。

びっくりして、書いては消し書いては消ししていました。
まだ日本にしか無いだろうと思い持って行ったのです
が、アイルランドにもイギリスにも在りました。老人か子供にしか渡せません。

バスの時刻表が手に入りました。「世界一美しい吊橋」と言われる、メナイ橋に行ってみよう。
やはり、日曜日だからか街は閑散としています。バスも、日曜は本数が少しです。乗客も少しです。
観光地も賑わうのは土曜で、日曜はウィークデーよりも空いています。
路線バスというか、巡回バスなので、遠回りして来ます。
閑散とした街 路線バス内 右はタイヤハウス

つり橋の支柱は鉄ではなくコンクリートです。バスは支柱ギリギリの間をゆっくりゆっくり擦り抜けます。
確か、この橋は、「不思議の国のアリス」の挿絵にありました。
メナイ橋(世界一美しい吊橋) バスにはあの支柱の下の幅が狭い
隣のブリタニア橋 メナイ海峡 先の海に出たところがバンガー

西には隣のきれいなアーチのブリタニア橋も見えます。海峡の東遠くには先程のバンガーの桟橋も見えます。
街に戻って、夕食を探しますが何処も開いていません。スーパーは既に、閉まっています。
ファーストフードも、やっと小さなケンタッキーが開いていました。

ケンタッキーは、外資なのです。何処も、日曜はちゃんと休みます。
去年、日曜、ネス湖の帰り、バスのドライバーが言ったのです
「ネッシーは居ましたか?そうでしょう、今日は安息日だから残念でしたね。」 と。
ウェールズ語 ケンタッキーフライドチキン

ウェールズは英語とアイルランド語に似たウェールズ語です。
日本でも、方言回帰運動があるように、学校でもウェールズ語を教えて、街でも地元色を強調しています。
左上はスーパーの営業時間表示です。この程度なら、想像が付きますが、さっぱり解らないのもあります。

アイルランド以上に現地語が多いように思いました。
遠回りしながら宿に帰ります。ロンドンにも無かった、犬の糞専用箱があります。
宿は、久しぶりにバスタブ付です。しかし、水圧が無くて、お湯はちょろちょろ。
待ちきれないので、結局シャワーで済ませました。
犬用 人間用

部屋はダブルでした。アラン島でもそうでしたが、お客の少ない時はシングル料金で泊めるようです。

6月1日(月)  19日目   スノードニア

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